2023/5/1(月)放送の『塀の中の白い花~ほんとに何もやってません』(FMたちかわ/84.4MHz/第1・3・5月曜日23:30)放送は、『天竜林業高校成績改竄事件』について放送しました。
天竜林業高校の校長先生だった北川好伸さんは、生徒の推薦入学のために大学を訪問しました。安心して推薦入学を申し込むにはほんの少し成績が足りませんでした。学校に帰った北川さんは「なんとかならんのかなあ」とつぶやきます。それを聞いた教員は成績改竄を指示されていると勘違いしました。そこから改竄が始まってしまいます。成績調査書が改竄されていることが発覚し、生徒は不合格となりました。教育委員会で改竄についての調査が始まります。改竄を指示されたとする教員と、「改竄などあり得ない」と主張する北川さんの言い分はどこまで行っても平行線。教育委員会は調査を警察に投げ、そして事件になっていきました。2008年、北川さんは逮捕されます。
北川さんは345日間も拘留され、改竄の見返りに金を受け取ったことを認めるよう、苛酷な取り調べを受けましたが、最後まで否認。その一方で当時の天竜市市長は警察から「孫と一緒に坂を転がり落ちたいのか」「成績改竄を依頼して、謝礼もないのか」と脅され、金を渡したとする嘘の自白に追い込まれました。
2015年の再審請求審では金を受け取ったとされる側(北川さん)も金を渡したとされる側(元市長)も双方が贈収賄はなかったと主張しました。ということは「事件だ事件だ」と騒いだ警察による不当な取り調べがあった、という事実だけが残るのですが、裁判所は「贈収賄はあったんでしょー」と警察・検察の主張を追認します。
この事件は殺人事件でもないし、凶悪犯罪でもありませんが、火のないところに煙を立てて、警察・検察が事件にしてしまうという、ある意味、非常に象徴的な冤罪事件なのです。是非、お聴きください。
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冤罪はなくなるどころか、ますます増えています。小さな番組ですが、大きな使命感を感じています。同時に、この番組を通じて、冤罪に関心のなかった人たちを引き込むにはどうすればよいか、日々答えを探しております。今年も6月16日まで、番組延長のためのクラウドファンディングを実施中です。是非ご支援、ご協力をお願い致します。 https://readyfor.jp/projects/nomore-enzai
「塀の中の白い花~ほんとに何もやってません」が海外メディアで紹介されました。日本の「人質司法」を海外に紹介する、非常に濃い内容の番組です。昨年Canal+で放送されたOPEN SECRETS エピソード3 “ 日本の人質司法”が「カンヌ・コーポレイト・メディア & TV アワード 2022 」の政治問題ドキュメンタリー部門の最高賞、金イルカ賞を受賞しました!
桜井さん、袴田ひで子さんへのインタビューのほか、私はラジオDJとして出演しています。
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